
Lazy Inn.
2021
近年注目を集めている淡路島西海岸サンセットライン沿いに、カフェを併設した宿泊施設を設計しました。
周辺一帯のFrogs Farmという大きな地方創生の全体構想の要となる施設です。
海への美しいサンセットを望む立地、そして豊かな自然や食文化など訪れる人を楽しませる魅力にあふれています。
このプロジェクトは、そういった場所のポテンシャルを生かし、地元住民のための憩いの場、そして広く関西圏や県外の人に淡路島の豊かな環境と文化を体験しながら過ごせる場所になることを目指しました。

カフェは、宿泊者以外の方でも気軽に立ち寄れるよう、道路沿いの顔となる立地に横に広がる平屋という形を取り、大きなガラス面と前面に広がるオープンスペースの組合せで、周辺環境に馴染む大らかなウェルカム感をつくり出しています。
一方で宿泊施設はプライベート性を確保しつつ、自然を楽しみながら滞在できるよう、山の谷に沿うようにヴィラが連続する構成となっています。
新しい時代の宿泊施設とはどうあるべきかを、企画段階からクライアントと共に検討し、一棟にまとめるのではなく、敷地を広く使い分棟形式のヴィラ型の配置としました。


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周囲の自然に開かれた大きな開口部の外にはテラスを設け、海に開かれたカフェとは対照的に、緑に包まれた山の雰囲気を感じながら木漏れ日や風の中での食事を楽しむことができます。

ヴィラの形状は、住宅の多い周辺環境や自然になじむよう家型の平屋を基本形状とし、宿泊ゲストは、ヴィラの間を縫うように敷かれたウッドデッキの上を、散策するように奥へと進みます。
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カフェ前面と背面両方に大きなガラス面を設け、背景に広がる森をカフェのどこにいても感じることができる構成としています。
また、ホテル受付も兼ねるロングカウンターは、周辺の田園から聞こえるカエルをイメージした鮮やかなネオン管グラフィックとなっており、昼と夜の印象をガラッと変える装置となっています。
カフェ棟はルーフトップも様々な使い方に対応できるよう設計されており、将来的には夜帯のイベントなどでエリア活性化の一端も担っていくことを願っています。
用途:宿泊施設、カフェ
計画地:兵庫県淡路市
構造種別:木造、S造
敷地面積:2,921㎡
延床面積:402㎡
クライアント:バルニバービ、Wonder Wanderers
設計・監理:Project O
構造設計:DN-Archi
ランドスケープデザイン:スタジオテラ
施工:内田建設
写真:*中村 絵、**YOKO INOUE Photography
ウェブサイト:https://lazy-inn.jp/